□即死ギミック
例えば、「三列ボム+ランドスライド」。 苦渋をガブ飲みさせられたプレイヤーも多いであろうこの攻撃だが、作りを把握できれば回避は困難ではない。 ボムの爆発順序、爆発するタイミング、タイタンの角度を見てランドスライドの誘導、正しいタイミングでの移動。 わかっているプレイヤーであれば「何を今更」というようなギミックである。 ここで何より重要なのは「実際の回避にスーパープレイやプレイヤーの才能を一切必要としない」ことである。 MMORPGにおけるPvEは各プレイヤーの同期をそこまで重要とはせず、ドット単位の位置調整は求められない。 100ms以上のラグを抱えるプレイヤーの存在を受け入れることも必須なので、1,2フレーム単位での入力や判断を求めることも絶対に無い。 入力機器としてパッドという選択肢がある以上(そしてそれが多数派である以上)、行動パターンもそこまで要求されない。 実際にこの「三列ボム+ランドスライド」を正しく避けるには、「アナログスティックの右と左をそれぞれ数秒ずつ押しこむ」だけでいい。 更に言えば、完璧に回避する必要性もない。 耐え切れるだけのHPがあればランスラを適当に避けてボムを一撃食らってしまえばいいし、 そのHPはキャラクターの装備や自分の防御スキルでまかなえる。プレイスキルは要らない。 勿論プレイとしては完全回避が望ましく、可能であればそうするべきである。 しかし、ランスラ誘導を致命的に失敗してしまった場合などはボムを1発食らってでも生き延びるべきだし、最悪戦闘フィールド上で死ねば復帰も可能になる。 ノーミスなら完全回避 1ミスならボムで瀕死 2ミスならボム2発食らってフィールド上で死亡。実際にはこれだけのミスが許される。 「ボム+ランドスライドはミス1発で即退場」というのは理解の欠如によるものであり、実際には正しくない。 旧ツイスターのように当たるも八卦外れるも八卦、のような意図的なクリアストッパーとして実装されているギミックでなければ、 各種即死ギミックに対して有効な対処法が確実に存在し、ものによっては失敗してもある程度ならリカバリーが利くこともある。 ギミックを分解して「何が危険か」「何をすれば良いのか」「何をしてはいけないのか」を話し合い、そこから回避方法を可能な限りシンプルにしてミスを減らしたり、 ミス率が上がってもいいから細かい動きを要求したり無茶をして(1healerとか1tankとか)DPSを増やしたり、という選択を各コミュニティ(パーティーとかLS)で行い、その団体にとっての最適を突き詰めていく。 それが即死ギミックに対する「開発の意図した攻略法」である。 「当たれば即死、何らかの方法を取れば回避もしくは大軽減が可能」という即死ギミック。 これは何を試しているものなのかと言えば「思考力・理解力・コミュニケーション能力」の三点に尽きる。 即死ギミックはプレイヤーの腕を試すSkill Checkではなく、Brain Checkである(※)。 「なんだかよくわからないけどよけられるときとよけられないときがあって、よけてもたまにぼむでしにます^^;なんでだろ^^;;;」というのはまさしくこのチェックに引っかかっている典型例。 聞いて感じて考えてと、ゲーム開始10秒後にFF14に対する真理が3文字で語られるので、よくわからなければ新キャラを作れば良い。 また、なんやかやの即死ギミックをもって「カジュアルに厳しすぎる」という意見を散見するが、これも完全に間違い。 正しく攻略する上で必要な能力が思考力や理解力である以上、プレイ経験やプレイタイムが影響する要素はキーボードやマウス、ゲームパッドの操作習熟度だけである。 如何にして攻撃を回避するか?とか如何にして攻撃するか(もしくはしないか)?という要素にプレイ経験は一切影響を及ぼさない。 格闘ゲームのようなプレイヤーセンスや精密操作、それらを脳と指と神経に叩きこむための膨大なプレイタイムが必須なゲームジャンルと比べれば、MMORPGは随一のカジュアル向けゲームジャンルである。 勿論、カジュアルの意味合いが「野球で遊びたいけどめんどくせーからその辺で拾った棒きれで参加する。ダメなの?ルールブック?めんどくせーお前が代わりに読んどけ」というものであれば話は別。 そのようなプレイヤーに対して、MMORPGはこの上なく苦痛なゲームジャンルになる。言ってしまえば「このゲームには向かない(※2)」ということ。 公式フォーラムでわめきちらしても何も変わらないのは、FF14のゲームシステムを曲げようとしているのではなく、MMORPGというジャンルそのものをねじ曲げようとしているから。 ※:ついでに言えばDPS CheckもBrain Checkです ※2:ちなみに向いてるゲームは1人ジャンケン。常に100%もの勝率が保証されるすごいやつだよ □何故ギスギスするのか 結論から言えば、他人にかけられる時間の個人差と、時間をかけてもらう側のコミュニケーションの欠落によるもの。 コンテンツファインダーでギブアップができるようになるまでの時間は現在15分だが、これはもともと5分だった(プレイヤーの除名投票は今でも5分だけど)。 つまり、開発の想定した「一期一会レベルの他人にかけられる時間は最短で5分」ということに他ならない。 しかし、パーティーを組む際の労力を考えると中々そうはいかない。 特にCFの使えない侵攻編のパーティーはタイミングが悪いと結成に1時間以上かかることもザラであり、15分やってはいお疲れ様でした、は心情的に厳しい。 なので15分が限界の所を30,60,90分とダラダラ続けてしまう。 5分が限度なのに数倍、十数倍の時間をかけて失敗を繰り返すわけだから、そりゃあストレスも溜まる。 が、果たしてギスギスは仕掛けた方が悪なのか。責められる側に責任や原因はないのだろうか。 前項でも書かれている通り、「野球するのにTシャツと棒きれだけ持ってノコノコやってきた右手と左手でジャンケンやってるのが向いてる方のカジュアルプレイヤー」ではないのか。 もしそうではないなら、ないなりのアピールが必要になるが、それは難しいことではなく「正解をしっかりと聞く」だけである。 責められないように不可抗力っぽい言い訳(※4)をするのが常に最悪の選択肢であり、それは他者の我慢の限界を大幅に縮める以外の効果は及ぼさない。 ※3:言い訳自体が他人の耐久度をガリガリ削るものではあるが ※4:例としては「ラグりました^^」。一見どうしようもなさそうな原因に聞こえるため多用されるが、本当だろうが嘘だろうが「ラグってるのにラグってると死ぬような場所に来た奴」という自己紹介になってしまう。 □余談:公式DPSメーター が搭載されているMMOは存在しない。 理由はヨシダの言うとおり、「運営開発が低DPS奴を見つけ出すわけにはいかない」のである。 実際に低DPS奴がパーティーにいると勝率が激減するので極めてネガティブな要素ではあるのだが、あくまでそれを発見し、蹴り飛ばすのはプレイヤーコミュニティ内で完結させなければならない。 これも「後は察しろ」という奴である。
by feenal
| 2014-06-01 14:32
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